今週のワールドツアーレース振り返り 2022/4/30

レース情報

カンパニョーロコンポーネント使用チームの活躍を振り返ります。

モニュメントレース 春のクラシック最終戦 リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2022/4/24)が開催されました。

リエージュ~バストーニュ~リエージュ

今年で108回目を迎える『最古参』ことリエージュ~バストーニュ~リエージュは全長257.2km獲得標高4,342mにも達する上りの厳しい格式の高いレースです。初開催は1892年と130年前にもさかのぼり、長距離の上りはないものの名も無い丘を含むと常にアップダウンがありアルデンヌ・クラシックでは最も注目のレースとなります。

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注目の選手は2年連続2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)、過去4度の優勝を誇るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、先日のパリ~ルーベで好調を見せたワウト・ファンアールト(ベルギー)らが優勝候補に挙げられます。

昨年覇者のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は一身上の都合により急遽欠場、一昨年の覇者プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)は膝の怪我のため不参加となり二大優勝候補とも言える2人が不在の中誰が勝利をつかむのかも注目されていました。

レース開始直後は45kmに渡り逃げを狙うアタック合戦が繰り広げました。ブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)らを含む逃げはバーレーン・ヴィクトリアスやモビスターなどが率いるメイン集団からはあまりタイム差をつけさせてもらえません。

この日の波乱は残り60km地点で発生した大落車でした。下り区間で起きたこの落車で多くの選手たちが足止めとなりましたが、中でもアラフィリップはより激しく道の外まで投げ出されてしまい自力で立ち上がることができませんでした。同じくして落車したロマン・バルデ(フランス、チームDSM)はアラフィリップが深刻なことを察しレースを放棄し彼を救助するのに尽力しました。結局アラフィリップはここでリタイアとなり、肩甲骨と肋骨2本を骨折する重傷と診断されています。

集団の前方で固まっていたバーレーン・ヴィクトリアスはほぼ落車の影響を受けず、逆にバルベルデやセルジオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)らは集団に復帰するのに足を使ってしまう展開となりました。そんなバーレーン・ヴィクトリアスから残り約40km地点でミケル・ランダ(スペイン)がアタックし集団に揺さぶりをかけます。

これにはセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)ら各チームのサブエース級選手たちがチェックに入ります。バーレーン・ヴィクトリアスはこの後も2016年のリエージュ覇者ワウト・プールス(オランダ)がアタックを仕掛けるなど積極的に攻勢にでます。

そしてレースは今年は残り29km地点に移動した名物登坂『コート・ド・ラ・ルドゥット(距離2km/平均8.9%)』でメイン集団からレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が強烈なアタックを仕掛けます。一撃で独走に持ち込むほどの力強いこのアタックには誰も付いていくことが出来ません。唯一食らいたニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)も上りの途中で引きちぎられてしまいます。

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その後もエヴェネプールは先頭集団から落ちてきた選手たちを次々とパスしていき、残り21kmで遂に先頭を走っていたアルミライルをも捉えます。この時点で後続とのタイムは35秒まで広がっていました。そして最後の登坂『ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(距離1.2km平均11%)』でエヴェネプールはアルミライルをも置き去りにします。

メイン集団では同じく最後の登坂で今年のラ・フレーシュ・ワロンヌ覇者ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)のアタックによりファンアールトが遅れる波乱の展開に。これにはダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)らがチェックに入り、一時エヴェネプールとのタイム差は18秒にまで縮まります。しかしエース級選手達しかいないメイン集団はこの後お見合い状態に。ここからアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを仕掛け単独でエヴェネプールを追走します。

しかしタイムトライアルスペシャリストのエヴェネプール相手にタイム差は縮まる気配を見せません。残り3km地点でタイム差は30秒差まで広がっていました。そして最後まで力強く独走したエヴェネプールがこの春のクラシックで苦しんできたチームに大きな一勝をもたらし第109回リエージュ~バストーニュ~リエージュ勝者に輝きました!エヴェネプールは自身初のモニュメントレース勝利となりました!

アタックを仕掛けたウラソフは途中で吸収され表彰台争いはスプリント勝負に。2位にはファンアールトをスプリントで破りクイントン・ヘルマンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が先着、そして初出場のファンアールトは3位となりました。

今後のワールドツアーレース予定

今週はステージレース ツール・ド・ロマンディ(2022/4/26~5/1)がスイスで開催中です。

そしてドイツでワンデーレース エシュボルン・フランクフルト(2022/5/1)が開催予定です。

今後もレースを楽しみつつカンパニョーロコンポーネント使用チームを応援していきます!

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