今週のワールドツアーレース振り返り 2022/4/4

レース情報

カンパニョーロ使用チームの活躍を振り返ります。

先日はベルギークラシックが最盛期を迎えていました。
まず ヘント〜ウェヴェルヘム(2022/3/27)が開催されました。
週半ばには ドワルス・ドール・フラーンデレン(2022/3/30)が開催されました。
そして昨日は『クラシックの王』こと ロンド・ファン・フラーンデレン(2022/4/3)が開催されました。
それぞれレースを振り返っていきます。

ヘント~ウェヴェルヘム

今年で84回目となるヘント~ウェヴェルヘムはモニュメント以外では最長距離の248.8kmとレース時間も長く、石畳セミクラシックレースの中では最も格式が高いと言われています。優勝者のUCI獲得ポイントもモニュメントレースと同様の500ポイントに設定されておりレース難易度の高さもうかがえます。

コースはベルギーフランドル地方を周り、後半に9つの登坂区間と3つの未舗装路区間が登場します。最後の上りからゴールまでは約30kmと距離があるため、最後の上りで絞られた小集団でスプリント勝負なる展開が近年は多くなっています。そのためスプリンターが勝てる石畳クラシックの中では最も格式の高いレースとも言えるでしょう。

前半が平坦基調ということもあり7名の逃げが決まってからレースはあまり目立った動きはありませんでした。残り約100km地点で落車が発生しメイン集団は分断される形となってしまいましたが、上りセクションが始まる前ということもあり再び集団はひとつになりました。

このレースの名物激坂ケンメルベルグ(登坂距離1510m/平均6.5%/最大23%)の最初の上りでカスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)がペースを上げ集団を分断にかけます。しかしこの動きは直後の平坦区間などで再び1つになり、残り約50kmで逃げも飲み込まれ2回目のケンメルベルグへ突入します。ここでもアスグリーンが積極的な動きを見せ、一時的に15名程度の集団になりますが再び後続に追いつかれてしまいます。

そして3回目のケンメルベルグで昨年覇者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が桁違いの加速を見せ頂上を単独で通過しますが、E3の反省からかマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)やアスグリーンが食い下がり直後の平坦区間で追いつかれます。

エース中の選手が揃ったことでこの集団のペースが落ちたため後続も次々と合流を果たす中、残り24km地点でクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)が加速しこれにヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ドリス・ファンゲステル(ベルギー、トタルエネルジー)、そしてビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が加わり4名の逃げを形成しました。

後続の追走も結果実らずゴールはこの4名のスプリント勝負に持ち込まれました。牽制4人の最後尾からギルマイが最後尾よりスプリントを始め、これに先頭を引いていたラポルトが反応します。ギルマイの力強い走りにラポルトのスプリントも敵わずギルマイが初出場初優勝の快挙を達成しました!

GCN

ドワルス・ドール・フラーンデレン

今年で76回目の開催となるドワルス・ドール・フラーンデレン(2022/3/30)に開催されました。
ロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦ラストレースには、2019年大会優勝者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)や初優勝を狙うグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)らクラシック・スペシャリスト達が終結しました。

今季絶好調のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)はロンドに向けて本レースはパスしたものの、注目なのは石畳クラシック初参加となるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が参戦した。マウンテンバイクやシクロクロス経験もあるポガチャルが石畳レースでどのようにレースを行うのか注目されました。

コースはベルギーフランドル地方を走る183.7kmのレースです。中盤~終盤にかけて石畳の上りが連続する厳しいレースです。

この日レースを積極的に動かしたのはアルペシン・フェニックスの選手たちでした。残り100km付近からチーム総員でペースアップを図りレースを活性化させていきます。そして残り69km地点のベルグ・テン・ホーテ(登坂距離1100m/平均6%/最大21%)でイネオス・グラナディアーズの選手たちがふるい落としにかかります。頂上を通過したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)たちと合流できたのはファンデルプールら4名だけでピドコック達と合わせて6人の逃げが決まりました。

この動きに集団後ろにいたポガチャルやファンアーヴェルマートらは付いていくことができませんでした。唯一ポガチャルは1人で追走をはかるものの結局6人に追いつくことはできず後ろの集団に戻ります。この後、ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・KTM)らも合流し第2追走集団を形成するも最後までファンデルプールグループに追いつくことはありませんでした。

CorVos

ファンデルプールグループは元から逃げていた逃げ集団を飲み込み、レースが残り10kmになるとこちらの集団でも激しいアタック合戦が繰り広げられます。まずはシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)がアタックをし、吸収後にはヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)が更なるアタックを仕掛けますが決めきれません。

残り1.6km地点でティシュ・べノート(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が仕掛けたアタックについて行けたのはファンデルプールのみで優勝はこの2人のスプリント勝負に。最後はスプリントで勝るファンデルプールが後ろから追い込むべノートを寄せ付けず自身2度目の優勝を決めました!

GCN

ロンド・ファン・フラーンデレン

5大モニュメントのひとつ、ロンド・ファン・フラーンデレン(2022/4/3)に開催されました。
今年で106回目となるベルギークラシックのトリを飾るのは『クラシックの王』の別名を持つこのレースには各チームのクラシックスペシャリスト達が王の座をかけて終結しました。

優勝候補ナンバーワンのファンアールトはまさかの新型コロナ陽性のため欠場となりました。
このため優勝候補は、ドワルス・ドール・フラーンデレンで勝利したファンデルプールやツール・ド・フランス優勝者のポガチャルに注目が集まりました。

レースはまず9人の逃げが形成されました。残り250km地点で道が細くなった箇所で落車が発生しこれにポガチャルが巻き込まれましたが無事に集団に復帰します。残り81km地点で集団で再び落車が発生し、これにユンボ・ヴィスマのラポルトが巻き込まれてしまいます。ファンアールト欠場でエースを任されたラポルトでしたが、この動きで集団復帰に力を使ってしまいます。

本レースの名物とも言える、オウデ・クワレモント(登坂距離2200m/平均4%/最大11.6%)は今年も3回登ります。この2回目の上りでポガチャルが加速して一気に逃げグループを抜き去ります。この動きで一時先頭グループへと出たポガチャルでしたが、途中の舗装路区間でファンデルプールらに追いつかれます。次のこの時点で先頭集団は30名ほどに絞られます。

コッペンベルグ(登坂距離600m/平均11.6%/最大22%)で再度ポガチャルが加速すると昨年覇者のカスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)がチェーン落ちで脱落します。ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)とディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)、ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ)、そしてファンデルプールを含め先頭は5名に絞られます。

先頭5名で最後のオウデ・クワレモントに突入しここでもポガチャル加速します。これについて行けたのはファンデルプールのみで、勝負は次の激坂パテルベルグ(距離360m/平均12.9%/最大20.3%)に持ち込まれます。パテルベルグでファンデルプールを引き離したいポガチャルでしたが、食らいつくファンデルプールは最後まで離れず勝負はスプリントになります。

残り1kmを切って牽制状態に入る2人を後ろからマデュアスとファンバーレが猛追してきます。先頭ファンデルプール、後ろにポガチャルの並びでしたが後ろの2名が追いつく直前にファンデルプールがスプリントを開始します。狙いすましたかのような絶妙なタイミングでスプリントを開始したファンデルプールとは対照的に、マデュアスとファンバーレに挟まれコースを塞がれてしまったポガチャルは万事休す。力強いスプリントを見せたファンデルプールが自身2度目のロンド王者に輝きました!

GCN

今後のワールドツアーレース予定

スペインにてイツリア・バスク・カントリー(2022/4/4~4/9)が開催されます。

また、週末にはアムステル・ゴールド・レース(2022/4/10)が開催されます。

今年はアムステル・ゴールド・レースパリ~ルーベ(2022/4/17)の開催日が入れ替わっているため、
視聴される方は注意が必要です! ※例年はパリ~ルーベが先に開催されます。

今後もレースを楽しみつつカンパニョーロコンポーネントの使用チームを応援していきます!

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