今週のワールドツアーレース振り返り 2022/3/27

レース情報
La Molina - Spain - wielrennen radsport cyclisme cycling - Ben O’Connor (AUS - AG2R Citroen Team) pictured during the Volta Ciclista a Catalunya 2022 - 101st Edition - stage 3 between Perpignan and La Molina (161.1KM) - Photo: Luis Angel Gomez/SCA/Cor Vos © 2022

カンパニョーロ使用チームの活躍を振り返ります。

今週はスペインで ボルタ・ア・カタルーニャ(2022/3/21~3/27)が開催されました。

またベルギーで クラシック ブルッヘ〜デパンネ(2022/3/23)、E3サクソバンク・クラシック(2022/3/25)も開催されました。ベルギークラシックはいよいよ盛り上がりを見せてきています。

ボルタ・ア・カタルーニャ

ボルタ・ア・カタルーニャはスペイン北部のカタルーニャ地方を周るステージレースです。
スペインのステージレースは完全平坦ステージはあまりなく丘陵ステージや山岳ステージが多いのが特徴です。ボルタ・ア・カタルーニャも例に漏れずスプリンターでさえ登れなければ勝負に絡めません。

初開催は1911年と歴史も古く現存するレースのなかでも4番目に古いそうです。
昨年はイネオス・グラナディアーズが表彰台を独占し話題になりました。

第1ステージは171.2kmの平坦(?)丘陵ステージ。ゴール前が若干の上り坂になっておりピュアスプリンターには多少不利なレイアウトでした。
勝利したのはマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)!登れるスプリンターの代名詞ともいえるマシューズですが久々の勝利でした。

第2ステージは202.4kmの平坦(?)丘陵ステージ。
ステージ後半はフラットのレイアウトのため集団スプリントとなり、前日優勝のマシューズからリードアウトを受けたカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が勝利!
同じオーストラリア出身の大先輩のサポートを受けての美しい勝利でした。

第3ステージは161.1kmの今大会最初の山岳ステージ。
標高1500mの山岳を3つ上る厳しいステージです。この日は優勝候補のトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)が体調不良を理由にリタイアを選択。パリ~ニースやティレーノ~アドリアティコからウィルス性の病気が流行っている印象をうけます。(新型コロナではないそうです。)
レース終盤にはタイミングよくアタックを仕掛けたベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)が抜け出します。後続が誰も追わなかったため差が開き最後は6秒差で逃げ切り勝利!昨年のツール・ド・フランスでの活躍を彷彿させる活躍でした!

AG2Rシトロエンはカンパニョーロ使用チームですのでこれでWT通算10勝目となりました!

GCN

第4ステージは今大会のクイーンステージ166.7kmの最難関山岳ステージです。
標高2000mの1級山岳へフィニッシュする総合を決める重要なステージです。レースは最後の1級山岳まで逃げグループが先行する展開でしたが、AG2Rがコントロールするメイン集団はタイム差を与えてくれませんでした。
最後の1級山岳では総合リーダー争いが勃発する激しい展開となりました。まずはリーダーのオコーナーが自ら仕掛けてライバル達の様子を伺います。この動きは引き戻され、しばらくしてリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)がアタックするとセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が反応。それにジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がペース走法で追いかけナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)と共にゴール手前で2人をキャッチ!最後はカラパス以外の3人でのスプリントとなりアルメイダが勝利!
実に熱い展開でしたが今年からUAEに新加入のアルメイダは移籍後初勝利となりました!UAEチームエミレーツはカンパニョーロ使用チームですのでこれでWT通算11勝目です!

GCN

第5ステージは206.1kmの平坦山岳ステージ。
前半に3級山岳が登場するものの後半以降はフラットな平坦なレイアウトのため最後は集団スプリントになる展開に。残り17kmにある中間スプリント争いが熱い勝負となり、結果的に前日総合リーダーだったキンタナからアルメイダが1秒差で総合リーダーを奪い取りました。
最後の集団スプリントはイーサン・ヴァーノン(イギリス)が勝利!21歳の若きスプリンターはワールドツアーレース初勝利となりました。

第6ステージは167.6kmの山岳ステージ。
2級山岳2つと1級山岳1つの厳しい山岳レイアウトです。この起伏に富んだレイアウトでカラパスとイギータが序盤から逃げに乗ります。悪天候もあり集団との差はなかなか縮まらず、まさかの130kmの逃げ切りが確定しました。最後は2人によるスプリント勝負でカラパスが勝利!総合リーダーはイギータがが獲得しました。

第7ステージは138.6kmの最終ステージです。
後半に2級山岳を6回登る周回コースを周る厳しいコース設定です。周回コースに入ってからは総合争いの激しいアタック合戦がありましたが、いづれも下り区間で追いつかれてしまい最終的には小集団スプリントになり、アンドレア・バジオーリ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利しました。この集団には総合上位勢もほぼ含まれていたため、イギータの総合優勝も確定しました!

クラシック ブルッヘ〜デパンネ

ベルギー西部を舞台にした207.9kmのセミクラシックレースのクラシック ブルッヘ〜デパンネが開催されました。ベルギークラシックながら石畳や上りは登場せず、周回コースで吹き付ける横風が勝負を左右します。2019年にワールドツアーレースになった比較的新しいレースでスプリンターが勝利を狙うレースとなります。

例年は強い横風が吹き付け集団分裂が起こりレースが動くものの、この日は風が弱く終盤まで集団はまとまったままレースが過ぎていきました。終盤には細い道幅や度重なるカーブで落車が発生し優勝候補のパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)が激しく落車してしまいます。先日のブレーデネ・コクサイデ・クラシック で勝利し調子の良さをうかがわせていただけに残念な落車でした。

最後の集団スプリントはティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)とディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)による僅差の判定の結果、メルリールが勝利!今季3勝目と勢いに乗っています!

GCN

E3・サクソバンク・クラシック

E3・サクソバンク・クラシックはベルギーフランダース地方をめぐる203.9kmのセミクラシックレースです。セミクラシックの中でもE3は特にレベルが高く、『ミニ・ロンド』の愛称で呼ばれるこのレースは1週間後に控えたロンド・ファン・フラーンデレンにも登場する名の知れた上りが合計17か所も詰め込まれています。モニュメントレースであるロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦とも言われクラシックハンター達がしのぎを削りました。

レースは残り80km地点のターイエンベルグ(登坂距離700m/平均6.3%/最大16%)で優勝候補のワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)がアタックを仕掛けます。この強烈な加速には他チームのエースクラスの選手しか付いていくことができず集団は一気に小さくなりました。先頭集団も飲み込み16名になった先頭集団をイネオス・グラナディアーズが中心となり追いかけます。

このレース最大の石畳激坂パテルベルグ(登坂距離400m/平均12.9%/最大20.3%)で再びファンアールトが加速すると付いてこれたのはチームメイトのクリストフ・ラポルト(フランス)だけで2人で頂上を通過し残り40kmを残し2人で逃げを目指します。遅れた集団にはティシュ・べノート(ベルギー)が入り追走集団のローテーションを乱して追いつくのを阻止します。

ユンボ・ヴィスマの完璧に近いチームワークを前に他チームは成す術がなく、2人はこのまま逃げ切りを決めました。パリ~ニース第1ステージを彷彿させる逃げ切り勝利でしたが、パリ~ニースではラポルトが勝利を譲ってもらう形となったからか、今回のE3ではラポルトがファンアールトに勝利をプレゼントしました。ユンボ・ヴィスマ強し、そしてワウト・ファンアールト強し。

間近に控えたモニュメントレース『ロンド・ファン・フラーンデレン』に向けてユンボ・ヴィスマがチーム力の高さをアピールした結果となりました。

GCN

今後のワールドツアーレース予定

今週はベルギークラシックが最盛期を迎えます。
全てベルギーフランダース地方で開催予定の1dayレースとなります。

まずは ヘント〜ウェヴェルヘム(2022/3/27)が開催されます。
週の半ばには ドワルス・ドール・フラーンデレン(2022/3/30)が開催されます。
そして週末には モニュメントレース 『クラシックの王』こと ロンド・ファン・フラーンデレン(2022/4/3)が開催されます。

今後もレースを楽しみつつカンパニョーロコンポーネントの使用チームを応援していきます!

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