カンパニョーロ使用チームの活躍を振り返ります。
先週はパリ~ニース(2022/3/6~3/13)が開催されました。
ほぼ同時開催でティレーノ~アドリアティコ(2022/3/7~3/13)も開催されました。
この2つのワールドツアーレースはシーズン序盤の重要なステージレースと言えます。
なぜならこのステージでの選手の活躍度合いで選手の調子が見えてくるからです。
パリ~ニース
パリ~ニースは別名『太陽に向かうレース』と呼ばれフランスを南下する8日間のステージレースです。
今年のパリ~ニースは平坦ステージが4回(第1・2・3・6)、個人TTが1回(第4)、
山岳ステージが3回(第5・7・8)というステージ構成。
平坦ステージについても完全フラットなステージはなく、
丘陵地帯を走る獲得標高が多いステージも多くレースの難易度は高い。
第1ステージは終盤に設定された3級山岳でユンボ・ヴィスマのクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)がペースを上げるとチームメイトのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)以外の他の選手は付いていくことが出来ずにちぎれてしまった。
このまま3人で最後まで逃げ切りを決めてしまい、まさかのユンボ3人でのワンツースリーフィニッシュ!ログリッチは総合優勝候補の大本命のため初日から調子の良さをアピールできた形だった。
第2ステージは横風分断が発生した激しいステージで最後は30名ほどの集団スプリント勝負で、
ワウト・ファンアールトを下したファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利!ヤコブセンは既に今季6勝をあげ絶好調と言えるだろう。
第3ステージは後半の丘陵区間を耐え抜いて最後の上りスプリントと制したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が勝利!上りスプリントなどの少し混沌とした際のスプリントではピーダスンの力強さが光る場面が多い。
第4ステージは個人TTで、優勝はユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールト!そして2位にはチームメイトで東京五輪金メダリストでもあるログリッチ、3位には個人TTで2度の世界王者になったこともあるローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が入りまたもトップ3がユンボ・ヴィスマというチーム力の高さを見せつけられたステージだった。
第5ステージはついに最初の山岳ステージが到来。逃げ集団より最後の1級山岳の麓から単独アタックを成功させたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が勝利!マクナルティは既に今シーズンこれで3勝目となり調子が良いのは間違いなさそうだ。年齢も23歳と若く今後もチームの柱となる存在となっていくに違いない!
マクナルティの勝利でカンパ6勝目!今年のUAEチームエミレーツは本当に強い!
第6ステージは全般的には丘陵ステージといえるコースレイアウト。ここでスプリンターチームの番狂わせを起こしたマチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)がなんと0秒差の劇的逃げ切り勝利!ゴールシーンまで見ていましたが最後までドキドキの展開で非常に面白いステージでした。
第7ステージは今大会のクイーンステージで1級山岳チュリニ峠(距離15.2km/平均勾配7.2%)へフィニッシュする難関山岳ステージ。この最後の上り勝利で他を圧倒したはやはりログリッチ!
サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)やナイロ・キンタナ(コロンビア)との上り勝負を制し総合優勝を一気に引き寄せました!
第8ステージは2級山岳が3つ、1級山岳が2つ詰め込まれた難易度の高い山岳ステージ。このステージの終盤の1級山岳で総合2位のサイモン・イェーツがアタックを成功させ、ログリッチの総合優勝に黄色信号が点灯したがスーパーアシストを見せたファンアールトの働きにより遅れを最小限にとどめることに成功。結果的にステージ優勝はサイモン・イェーツが、総合優勝はログリッチが手にした!
ティレーノ~アドリアティコ
イタリア半島を横断してアドリア海へ向かうステージレース。イタリア半島を囲む2つの海を結ぶことから『二つの海のレース』と呼ばれる。今大会は前回優勝者のボガチャルと初対決に挑むレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)にも注目が集まった。
今年のティレーノ~アドリアティコは個人TT1回(第1)、平坦ステージ3回(第2・3・7)、
山岳ステージ3回(第4・5・6)というコース設定。
第1ステージは13.9kmの個人タイムトライアルを世界王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が圧勝。世界王者強し!2位にはエヴェネプール、3位にはタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と優勝候補の2人も力走した。
第2ステージはティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が強豪スプリンター達を押しのけてスプリント勝利!すっかりワールドツアーレベルの選手の1人になりました。
第3ステージは終盤にロード世界王者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)とポガチャルら4人が抜け出しあわや逃げ切りかと思われたが、残り10kmで吸収され最後は集団スプリントをカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が勝利!
第4ステージは正確には山岳ステージではなく丘陵ステージだが、終盤にフィニッシュへと続く距離4.2km/平均勾配5.7%の坂を3度登るためパンチャーやクライマー向けのコースレイアウト。
最後の上りで凄まじい加速を見せライバル達を振り切ったポガチャルがステージ勝利!
これでカンパチーム7勝目!ポガチャルに至っては今季4勝目(+総合優勝1回)と一人飛びぬけた強さを見せつけています。
第5ステージは獲得標高2400mの丘陵ステージ。ここでワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)は終盤に逃げ集団からのアタックを成功させて独走勝利!ワールドツアーでの勝利は実に5年ぶりとなる勝利!
第6ステージは今大会最難関の山岳ステージ。超級山岳チッポ・ディ・カルペーニャ(距離6.2km/平均勾配9.6%)を2度登り下った後にゴールが設定されている。
頂上付近は気温0度近い寒さのなか2度目の超級山岳で激しい各チームのエースたちの闘いが起こった。最終的に頂上まで残り3km地点でのアタックを成功させたポガチャルが後続に1分差をつけて圧巻の勝利!1人別次元とも言える走りを見せ一気に総合優勝を手繰り寄せた。
この勝利でカンパチーム通算8勝目!なんといってもポガチャルが強すぎます。
最終第7ステージは平坦ステージでのスプリント争いをフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が伸びのあるスプリントを見せ勝利!
これで総合優勝をポガチャルが確定させカンパチーム通算9勝目!ポガチャルはUAEツアーに続くステージレースでの総合優勝となりました!
今後のワールドツアーレース予定
今週はついにモニュメントレース開幕戦のミラノ~サンレモ(2022/3/19)が開催されます。
また来週はステージレース ボルタ・ア・カタルーニャ(2022/3/21~3/27)が開催されます。
ベルギークラシック デ・パンネ(2022/3/23)やE3・サクソバンク・クラシック(2022/3/25)も開催予定となっており一気に春のクラシックも本格化してきます。
今後もレースを楽しみつつカンパニョーロコンポーネントの使用チームを応援していきます!
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