先月遂にカンパニョーロから新しいグループセットが発表されました!
前作のグループセットが2018年登場なので実に5年ぶりのモデルチェンジです。
今作の目玉は何と言ってもカンパニョーロが『ワイヤレス』に対応したことでしょう!
詳しい情報を見ていきましょう。
旧型との比較
詳しい仕様内容はCyclowiredやCyclesportsでの記事でも書かれています。
まずは旧型となるEPSモデルとの違いを比べてみました。
Super Record EPS (2015年モデル) | Super Record EPS (2018年モデル) | Super Record Wireless (2023年モデル) | |
リア枚数 | 11速 | 12速 | 12速 |
変速システム | 電気ケーブル式 | 電気ケーブル式 | 無線式 |
バッテリー | シートポスト内 | シートポスト内 | エルゴレバー:ボタン電池 フロントD:専用リチウム電池 リアD:専用リチウム電池 |
バッテリ持ち | V3:約2000km | V4:約2200km? (V3より10%増) | エルゴレバー:1.5~2年 各ディレイラー:750~1000km |
重量 | 2413g | 2497g | 2520g |
リリース時期 | 2018年 | 2019年 | 2023年 |
価格 | 627,450円 | 645,250円 | 869,000円 |
こうして比べてみると、
〇2015年モデル⇒2018年モデルのモデルチェンジ目玉は『12速化』
〇2018年モデル⇒2023年モデルのモデルチェンジ目玉は『ワイヤレス化』
と確実に正常進化を遂げています。
少しややこしい話になりますが、
①2015年モデルと表記したものが2018年にリリースされているのは、
この年にディスクブレーキ仕様のスーパーレコードEPSが登場したから。
②2018年モデルと表記したものが2020年にリリースされているのは、
EPSモデルが機械式モデルよりも1年遅れて登場したから。
EPSモデルと機械式モデルが同時に発表・リリースされるわけではないので、
今回は便宜的に2015/2018年モデルとしました。
もう少し分かりやすく言えば下記の通りとなります。
2015年モデル=11速EPS、2018年モデル=12速EPS、2023年モデル=12速ワイヤレス
エルゴレバー
今作よりエルゴレバーの形状が大きく変更されました。
ブラケットの先端が前作より短く角ばったような形状に変わりました。
11速→12速モデルになった際も大きく変わらなかっただけに、ここは大きな変更点と言えます。
これはレバー内部にボタン電池を搭載するようになったためか?と思われますが果たして…。
更に注目すべき点はカンパニョーロ伝統の親指シフトレバーが見直され、ブレーキレバーの内側の上下に配置されたボタンでの変速システムへ変更されました。
空力的には新デザインの方が優れていそうですが、私を含め既存のカンパニョーロユーザは寂しい思いがあるのではないでしょうか。親指シフトはダンシングをしながら変速しやすいという実用的なメリットがあっただけに残念ですが、シマノやスラムから移行される方は馴染みやすいかもしれません。
ディレイラー
フロント・リアディレーラーも見てみましょう。バッテリが搭載されているだけありサイズは大きくなった印象があります。ディレイラー自体のカーボンや形状の美しさは健在ですがバッテリの主張が少し強い気がします。
残念なのはフロントとリアでバッテリ形状がそれぞれ異なる点です。これはリアのバッテリーが切れた際にフロントのバッテリーと入れ替えるといった応用が利かないため、次のモデルチェンジでは是非共通仕様にして欲しいところです。
ドライブトレイン
遂にカンパニョーロでもリアカセットのトップが10t(歯が10枚)になりました。シマノは現状11tを維持しているので差別化されることになりました。リアが10tの方がフロントの歯数を小さくし軽量化できるので合理的な流れと言えます。
スプロケット歯数はは下記の3種類がラインナップされます。
①10-25t (10-11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25)
②10-27t (10-11-12-13-14-15-16-17-19-21-24-27)
③10-29t (10-11-12-13-14-15-16-18-20-23-26-29)
素材は全てスチール削り出しでチタンは採用されなかったようです。
フロントチェーンリングは12Sのレコードと似た形状でカーボンクランクの美しさは折り紙付きと言えます。今作は『SUPER RECORD』のロゴに赤文字が無いのでどんなフレームでも色合い的にマッチしそうです。
歯数のラインナップは下記の3種類です。
①50-34t, ②48-32t, ③45-29t
全体的に小さめなのでプロ選手は52tや54tも要望が出そうですね。
ブレーキ
ブレーキについては冷却性能がアップしたとアナウンスがありますが具体的内容は不明です。
ブレーキフィーリングや表面処理などが変わったのでしょうか?
まとめ
その他シフトスイッチの配置についてはスマートフォンアプリの『MY CAMPY』にて自由にセットアップが可能です。このアプリはシフトスイッチの設定の他にも自分のコンポーネントの登録をしてメンテナンス履歴を残したり走行ミッションを設定して履歴を残したりといった運用ができます。
気になる価格ですが、約87万円と前作のEPS(64.5万円)より30%以上価格がアップしており手軽に購入できるコンポーネントではなくなってきました。カンパニョーロは高級路線を軸に値段よりも質や性能の向上を目指して他のメーカとの差別化を図っているように思えます。
12速のEPSはスーパーレコード以外のグレードには展開されませんでしたが、今回リリースされたWirelessは下位グレードのコンポにも展開されるのか注目です。ここ最近カンパニョーロは下位グレードコンポのEPSを販売しておりませんでしたので、手が届く価格でコーラスやケンタウルにも展開してもらいたいところです。
引き続きカンパニョーロの今度の動向にも注目していきたいと思います!
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