ヘルメットは自転車乗りにとって必須品ですが、経年劣化や乗車に伴う破損が伴うため消耗品とも言えます。しかし消耗品でありながらここ数年ヘルメットの高機能化や円安の影響でヘルメットの高価格化が目立っており、以前のように気軽に交換できるものではなくなりつつあります。
そんな中、イタリアメーカー KASK SINTESIは機能やデザインを上位モデルから継承しつつもコストパフォーマンスを求めたライダーに優しいヘルメットです。今回はそんなSINTESIを開封から実際の使用感を交えたレビューをお届けします。
開封
今回は『OXFORD BLUE』のカラーを選びました。
濃い青色か紺色と言った色で、明るい場所の方が色が映える塗装です。
正面から見ると、おでこの部分にあたる大きな開口部は内部でブリッジが入っています。
後ろからの写真です。調整ダイヤルはかなり大きいため冬用グローブでも触りやすく、ダイヤルカラーもグレー単色で変な主張はありません。ダイヤル上の反射板で後続車からの視認もしやすいデザインとなっています。
内部の写真です。インナーパッドは3ピース構造で、おでこから頭上部にかけての大きい1ピース、頭上部の左右に配置された小さいパッドが2ピースとなっています。眉の上に当たるパッドがしっかりこめかみ辺りまであるのは汗が目に落ちづらいためポイントが高いです。
あご紐は布製です。KASKの上位モデルはあごに当たる部分が革製になるためこの辺りでコストダウンを図っているのでしょう。しかし布製の方が軽量で手入れも楽なため、こちらの方が好みの人もいると思うためどちらが良いとははっきり言えないところです。
実重量
実際の重量を計測しました。今回はMサイズでの計測です。
公称230gに対して231gでしたのでほぼカタログ値通りの結果となりました。あご紐についているタグを取れば230gピッタリかもしれません。この辺りはさすがKASKと言ったところです。
実走レビュー
筆者は以前、同じKASKのMOJITO や VALEGROを着用しており同メーカーでの比較感想となります。この度落車でVALEGROをダメにしてしまいSINTESIに乗り換えました。100km程度走ってきたため
まず被った際の印象ですが、MOJITOやVALEGROよりも深く被れている感覚があります。頭に乗っけるという印象が薄れ、しっかり被れているという感覚に近いです。もしかすると新型のMOJITOやVALEGROも安全システムがアップデートしているため、以前から被り心地が多少変化しているのかもしれません。いづれにしてもしっかり頭を守れている感覚は安心感があります。
また230gという数値は重さを感じさせず実際のライドでも重量が気になる場面はありませんでした。以前着用していたVALEGROはMサイズで実測205gと更に軽量でしたが、その差が気になるということは全くなく、重量バランスが良いのか数値以上に快適に感じました。
走行中もズレたりすることなく、速度を上げていくとベンチレーションからエアーの侵入を実感できました。ベンチレーションに関しては流石にVALEGROの方が勝りますが、夏場の猛暑でもなければ涼しさが物足りないと思うことはないでしょう。
ネガティブポイント
ここまでは良いと感じたポイントを述べてきましたが、いくつか気になるポイントもありました。
①サングラスを固定するベンチレーションがない
固定できそうな位置にベンチレーションホールがなく、走行中に外してヘルメットに引っ掛けて走ることが出来ませんでした。これは割と不便でサングラスを外す際は首の後ろに預けるしかなさそうです。
②あご紐の毛羽立ちが気になる
数回しか使用しておりませんが既に布製のあご紐の毛羽立ちが目立っています。毛羽立ちは最初だけの可能性もありますので、しばらく使用して様子を見てみたいと思います。
③ダイヤルに滑り止め加工が欲しい
この辺りはコスト面の都合だと思いますが、調整ダイヤルの表面に滑り止め加工や凹凸があれば尚良しと感じました。ダイヤルが大きいので滑ることはないと思いますが、次回のアップデートがあれば期待したい箇所です。
まとめ
KASK SINTESI ヘルメットについてレビューをしました。230gという軽量性、11色展開というカラーラインナップ、搭載安全基準も高くJCF公認、特段に欠点らしいポイントが見当たらない優等生です。
更にここまでの機能性で値段が ¥15,000以下というコストパフォーマンスの高さも素晴らしく、KASKのヘルメットが頭に合わないという方以外ならば購入の選択肢に挙げても良いのではないでしょうか。
ヘルメットは消耗品だし壊れたら買い替えだからそこまでお金を掛けたくない!という方には特におすすめです。是非一度検討してはいかがでしょうか?
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